肝臓は黙々と働き続ける人間の臓器である

肝臓は人間の体の中で一番大きな臓器であるとともに、とてもダフな臓器です。
たとえば、肝臓を構成している肝細胞は、そのパワーの予備力として、4分の3以上を温存しています。このため、仮に手術で肝臓を半分以上切り取ったとしても、肝臓自体の機能を失うことはありません。
また、門脈の存在により、肝臓が酸素不足に陥ったとしても、脳や心臓のように細胞が壊死することもありません。
つまり、肝臓はとてもがまん強い臓器で、文句もいわず黙々と働き続けることから〃沈黙の臓器〃といわれています。

肝臓は、たとえ強いストレスがかかったり、多少、病気で弱っても、弱音を吐かずに働き続けます。

このため、肝炎が進行し、黄疸や強いだるさ、吐き気などを感じるころには、病態がかなり深刻化しているケースも少なくありません。
このような事態を避けるためには、日ごろから血液検査を受けて、沈黙の臓器の〃声なき声″に注意を傾けることが大切です。
とくに、多量飲酒を長年続けている人、肥満気味の人、過食気味の人、奔放なセックスをしている人、海外によく行く人、やせ薬や健康食品、市販の漢方薬などを常用している人は、肝臓病のリスクが高くなります。肝障害の初期段階の脂肪肝を防ぐためにも、ウイルス性や薬物性の肝炎を早期発見するためにも、定期的な検査が欠かせません。体の異常を少しでも感じた場合は、すぐに病院で検査を受けるべきです

肝臓には全身の血液の4分の1が流れ込んでいます。肝臓は沈黙していても、血液は肝臓の状態を詳しく代弁してくれます。その声を聞くこともなく、肝臓の異常を放置しておけば、やがて致命傷にもなりかねません。
肝障害も他の病気と同様、早期発見を心がければ最善の治療につながります。それにはまず、職場の定期健診や自治体が行う地域健診などを積極的に受け、血液検査を通して肝臓の声を聞くことが、最も重要なことなのです。